良い兆候か。

モーニング娘。の新曲「リゾナント ブルー」が、近作の中では一番の秀抜な作品に仕上がっているので、ご紹介。



基本、高橋・田中の二人がボーカルの中核にあり、後のメンバーがぼやけてしまっている感がありますが、メンバーの中で一番歌える二人がリードをとるのは至極自然なことですし、なによりモーヲタに限らぬご見物の関心を得るには「どこのパートをだれが歌っているか」というのはあまり関係がなく、ともかくもよりよい楽曲を製作し、懸命にプロモーションを重ね、あとは天命を待つというのが理に適っているのではないでしょうか。
これだけいい曲ですので、より多くの方の耳目に触れるよう、我々モーニング娘。ファンもアピールすべきでしょう。




むろん、わたくしはファンとして、このCDを「一枚だけ」買うつもりです。

一人で百枚も買うような人がいるようですが、それは間違いですよ。
たとえばCDが一万枚売れたとして、その一万枚を、一万人が一枚ずつ持っているのか、百人が百枚ずつ持っているのかでは、その歌手の知名度に差が生じますよね。昨今のメディアにおいて、ハロプロなり、他のアイドルグループになりが、いまいち世間様に認知されていないのも、CDショップに並んだCDを「○○ちゃんのため」とか言って根こそぎ買っていくファンの行動が遠因しているとも考えられます。

アイドルファンにも、これからはもっと理知的な行動が求められる時代になってきたような気がしてなりません。


また、話は変わりますが、元モーニング娘。藤本美貴さんの新曲『置き手紙』が発売されるそうじゃありませんか。


置き手紙

置き手紙


フライデーによって、お笑い芸人との交際が発覚し、いやいや扇腹(おうぎばら)を切らされた*1藤本さん。あれからテレビやラジオに登場することもなく、音楽ガッタスからも漏れ、心配しておりましたが、ようやく復活ということで安堵しております。
ハロプロ一の美声」との呼び声の高い彼女の、その声。*2先日、ワイドショーなどでの報道によってまたこの美声を聞くことができました。
アイドル歌謡出身の彼女ですが、番組の企画で「アメージング・グレイス」に挑戦し、多くのファンを魅了した過去からも、しっとりとした大人の楽曲に似合う声だというのは明らかでした。その上でのアダルト歌謡路線は評価されて余りあるものだと思います。


実際に恋をして、声質が以前にもましてまろやかに、繊細になったような感もあります。

本当、女性は恋をして成長するんですよ。それ以前に、猫だって、鳥だって恋をしますよ。人間も、成長する過程で異性と出会い、恋をして結婚して、子供を産み育てるというのは、天地自然の摂理でしょう。「アイドルは恋愛禁止」なんていう価値観を、安政年間の庶民が聞いたら嗤いますよ。(笑)
ことにモーニング娘。の場合はこの変な法に縛られて、自分の足で自分の足を踏んで転んだようなことが何度あったことでしょうか。
芸能界にいるならば、同じ芸能界の人間と知り合って、つきあって、結婚するのはごく自然なことでしょう。辻さんにせよ、飯田さんにせよ、その順番があいまいだったことは非難されても、恋愛し、結婚し、出産するということに関して、あれやこれやと横やりを入れたがり、妄言を吐くファンが絶えないのは本当に悲しいです。


ただ、そのアイドルがかわいらしい様子をかわいらしいと見るのが目的ならば、自分でかわいらしい人形でも作って、抱いて寝てなさいと言いたい。(笑)


なんでも、世間様には「人妻アイドル」というかた(赤松佳音さんというそうな。詳細はこちら)もいらっしゃるそうで、ちゃんとCDも出してファンもいるそうです。こうなってしまったら、モーニング娘。にも人妻が……なんて冗談ですけど、アイドルにとって「恋愛禁止」がどれだけ馬鹿げているかがお分かりいただけると思います。


もし、モーニング娘。のこの「悪法」がなく、藤本さんがリーダーとしてモーニング娘。に在籍していたらと思うと、興味深いですが、彼女にとって、モーニング娘。在籍時代が、より良い思い出として残っていてほしいと願ってやみません。


それから、現メンバーの皆さんには、本当にいい出会いをして、いい恋愛をしてほしいです。むろん、失恋だって経験のうちですが、なにより決して早まった結婚などせず、じっくりとご自身の人生と向き合っていただきたい。そうすれば、必ずいい声が出せるようになるし、日々が楽しくなります。

いずれは、結婚して子供を産み育て、その子供さんが女の子だったら、その子をモーニング娘。にしましょうよ。
モーニング娘。は初世から八世も続く伝統芸能ですが、今の彼女らのご息女がモーニング娘。になるなら、本当に伝統芸能として確立するんじゃないですかね。(笑)

この伝統芸能マニアにとっては、そうなることを願わずには居られません。(わははは)

*1:※扇腹を切る。……おうぎばらをきる。切腹の礼法の一つ。一般の切腹では、文字通り、小刀で腹を切って腸を取り出したのを確認した後に介錯するが、扇腹では、白扇を小刀に見立て、切腹をする真似をさせたのち介錯する。いわば、罪人が責任を取って腹を切るという体(てい)の斬首刑。

*2:以前、光文社『FLASH』誌上で「本当に上手いどの女性歌手とはだれか」という特集があり、その中のランキングで、藤本美貴宇多田ヒカル浜崎あゆみらをおさえて二位であった。評価にあたったのは声楽家や音楽評論家である。むろん、この評価は誇張であるかもしれないが、音の高低、声質の硬軟、ビブラートも自在な彼女の歌声が「美声」であることには間違いない。