合評会の註釈
東日本大震災に被災された方々、心からお見舞い申し上げます。花の咲かぬ季節はなく、終わらぬ夜などありません。がんばってください。青島です。
二月に、Perfumeの東京ドームライブDVDの合評会を行いました。
多くの方々の批評をうかがえて、大変に感銘することが多かったです。本当にいろんな方のいろんな見方があるんだなー、と……。
また、『コブラ塾』のコブラ塾長には、大変お世話になりました。
また、不慮の事故により、大変ご迷惑をもおかけいたしましたこと、あらためましてここにお詫び申し上げます。本当に菓子折りでもお送りしたいんですよ。^_^;
そこで、わたくしの批評の段になって、いまいち伝わってなかったなと思う箇所がありますので、ここであらためて註釈させてください。
わたくしの批評で申し上げたことは、
Perfumeの東京ドームライブは、まさしくPerfumeがファンへ送った豪華なご馳走だった。ドームという豪華な空間できらびやかな演出。文句なしのご馳走だった。でも、『馳走』とは、けっして絢爛豪華な食事を供することではない。白飯にみそ汁、おかずが目刺一匹ぐらいだったとしても、提供する側が真摯に心づくしをすることを『馳走』というのだ。白飯を炊くにしても、その産地を選び、自らその場所に赴き、米粒ひと粒ひと粒を吟味し、炊飯に最適の水を選んで自ら汲み、薪を割って竈で炊く。目刺一匹にすら旬と産地を吟味して七輪で焼くのを最高とする。豪華であろうが慎ましやかであろうが、心づくしの一膳こそ、本当の感動を呼ぶ。そういう意味で、Perfumeのライブは「真摯な心づくし」の一夜だったと思うし、その様子がこのDVDには見事に凝縮されている。
以上のようなものでした。
わたくしが『目刺』といったあたりから、各隊員の頭の上に「?」が浮かんでいたみたいなのですが、つまるところ、このドームライブが絢爛豪華なものには見えてなかったというのがわたくしの脳裏にあったと……。
べつにヘタな突っ込みを入れるつもりはありません。上記のとおり、本当に素晴らしかったと思います。全編通じてPerfumeとPerfumeチームの知恵と工夫が凝縮した素晴らしいライブだったことは疑うまでもありません。でも、たった三人で行えることには限界がありますし、そうなると演出がどうしても限られてしまう感は否めません。*1
数々の舞台芸術を鑑賞してきた経験から申し上げますと、演出自体は歌舞伎座での歌舞伎公演で繰り返し観てきたことの翻案のようでありました。とくに、NHKで2010年末に放送された東京ドームライブのドキュメンタリー番組を見て、さらにそう思いました。
あの番組を見て、「あれはああいう仕掛けだったか!!」とか驚いている方々も多かったようですが、わたくしにとっては、大方の予想通りだったのです。
それでも、ライブ開始直後の、センターステージにあるの△(三角形)の幕の引き方は、歌舞伎というより能『殺生石』みたい*2でしたし、アイドルイベントのようだと批判されたこともあったサインボール投げも、彼女らが原点を忘れていない証拠を見たかのようで胸が熱くなりました。
小気味のいい演出と、製作スタッフの知恵と工夫、そして、Perfume三人の溢れる愛情……。
こんなに素敵なコンサートを経験したことはありませんでした。
このDVDは一生の宝ものになることでしょう。
結成10周年、 メジャーデビュー5周年記念! Perfume LIVE @東京ドーム 「1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11」【初回限定盤】 [DVD]
- 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 発売日: 2011/02/09
- メディア: DVD
- 購入: 17人 クリック: 955回
- この商品を含むブログ (68件) を見る
ちなみに、トラックドライバーの方で、被災地の子供たちに、このDVDをプレゼントする人がいるとか……。なんとも泣ける話です。(T_T)
復興の願いは尽きません。わたくしも松島に行って、芭蕉の通ったルートをさかのぼったことがあります。その松島も被害を受けて沈んでしまった島もあるとか……。
瑞巌寺で逢ったおじさんや、ホテル松島大観荘のやさしいフロントのお姉さんとか。思い出すと、景観とともに、人の顔も思い出されます。
たしかに誰でも天災の危機の上に暮らしてはいますが、こんなに「普通の生活」が幸せなんだと痛感したことはありません。
この『wonde2』を聞くたび、何気ない日常こそが幸せであることを実感します。
被害にあわれた方々に、また笑顔の絶えない平凡な日々が戻りますように……。