辻さんのブログ
この2月15〜17日の間、念願の滋賀県へまいります。寺巡りがしたかったんです。あと、恒例の早春吟行です。
光井さんの凱旋コンサートが滋賀であるんですが、仕事が稼ぎ時の三月の真っ只中で、しかも法難の渦中にあるこの百八軒が行けるわけないじゃないですか……。まー、そんなこんなで青島です。
さて。ファンの心配を物ともせず、辻さんのブログ『のんピース』が盛況のようで。これまた何よりでございます。
主婦ゆえのすさまじい更新頻度と、相変わらずのお笑い精神。そして『よく聞く曲は何ですか?』と訊かれて『パフィームです!』と答えてしまう、これもまた相変わらずの「奇跡」の頻度。*1
最近は加護さんのブログよりも注目しているかもしれません。(加護さん、頑張れ!)
思えば、男子ファンに幻想を抱かせるような「王道」=「型押し」アイドルに、この百八軒は全く興味を示しません。いや、それまでは「国民的」といわれるようなアイドルさんをかじりつくように見ていましたが、モーニング娘。のファンになってから確実にその軸からは外れましたね。そういう意味では、昨今ハロプロからデビューした真野とかいうのもそうですわ。どうも「かわいい」しか感じないんですよ。
>「かわいい」だけで、オールOKでしょ?
いやいや。物足りませんわ。それって、ごはんが美味しいとか、お花がきれいとかいうのと同じでしょ。
>しかも性格もいいし、ピアノなんて特技もあるし、楽曲もいい曲だしてるし……。しかも、演技力も抜群だよ。
ちがうちがう。そんなんじゃ、物足りないんですよ!!
なんていうんですかね〜〜〜。スパイスが足りない。爆発力に欠ける。いい意味でも悪い意味でも「何かやらかしそうだ」感がまったくない。
あれですわ。その真野が、夜な夜な口が裂けて、尻から尻尾が2本生えて、目が大きく釣り上ったかと思うと、四つん這いになって、行燈の油を舐めに行くといかいう癖があるんなら、大好きになるんですがね。(笑)*2
そういう意味では、辻さんと加護さんは突き抜けていた。番組の企画を無視して自分たちのマイノリティで突進する姿は本当にロックだった。何もかにも自分たちの色に塗り替えていく力は半端なかった。それこそ「黒く塗りつぶせ」を地で行くような存在感は、それまでの、アイドルに対して抱く「かわいい」感を超越する存在感を感じた。
そう。なんだか、矢沢永吉のような存在感だ。
「かっこよく」「おもしろく」「反逆的」 彼女たちの場合は、しかも「かわいい」のだ!!
お二人のデビュー当時。それこそ、上は中澤さんが最年長で、加護さんが最年少。アイドルとして、当時ではありえない形態で「国民的」という栄冠を捥ぎ取った。
本来、落選者の寄せ集めでしかなかったモーニング娘。が『LOVEマシーン』でヒットを飛ばし、番組に出ては「う○こ!」を連発する辻さん・加護さん=ミニモニ。によって全国区になった。
思えば、モーニング娘。は王道アイドルではない、まるで野武士の集団のような存在ではなかったか。
その存在感に、わたくしはしびれたし。何よりもかけがえのないものと狂信的になった。
それがどうだ。最近のモーニング娘。には、どこか「王道」の気風がちらついているような気がしてならない。
それこそ。現在の各メンバーには、往時のモーニング娘。メンバーにも感じた妖気を感じることは多々あるが、何か違う。何か物足りない。異形感が全くないのだ。
「異形感」で思いだしたことがある。
あの特撮ヒーロー物の金字塔『仮面ライダー』が放送されて何周年かというイベントに行ったことがあって、そこには「仮面ライダー1号・本郷猛」役の藤岡弘、氏と、「仮面ライダー2号・一文字隼人」役の佐々木剛氏、あと、当時のプロデューサー・平山亨氏が参加していた。
ファンとの交流ということで、質問コーナーが設けられたので、わたくしはぬけぬけとこんな質問をしてしまった。
「仮面ライダーって、モデルはバッタですよね。わたくしが子供のころには、もうすでに『スカイライダー』とか『スーパーワン』とかが放映されていて、もはやその形態が当たり前のかっこよさだと思い込んでいたんですけど、いま思い返してみると『なんで、バッタだったんだろう?』と不思議でならないのですが……」
すると、平山亨氏がニコニコしながら答えてくださった。
「原作者の石ノ森章太郎先生に『新たなヒーローを作ってください』ってお願いしたんです。そうしたら、最初はちゃんと二枚目の人間のヒーローを描いてきたんですよ。(笑) ぼくも『これならいける!』ってノリノリだったんだけど、石ノ森先生のほうから『待った』がかかっちゃって……。先生があれよこれよと悩んでいるうちに、バッタになっちゃった。(笑) バッタって、すごいジャンプするじゃないですか。ああいう力強さに、子どもたちは素直に憧れるんだ、という持論があったみたいですよ」
その平山氏の言葉に次いで、藤岡氏が
「あと、バッタという異形だからこそ『かっこいい!』って、憧れられるんですよ。超人的な力を発揮するものはたとえ、それが人間であっても異形なんです。だから普通の人間でなくて、改造人間なんだと思っています」
と答えてくださった。
このお二人の言葉は今でも心に焼き付いています。
モーニング娘。が一点突破できたきっかけも、この異形感が大きな要因でしょう。
そう。この「異形感」こそわたくしが求めるもの。これは「かっこよさ」と置き換えてもいい。
モーニング娘。は「かわいい」ではなく「かっこいい」集団であるべきと断言する!!*3
そういう意味で、昨日、誕生日を迎えたジュンジュンはかっこいいと思うよ。(笑)